南相馬市原町区萱浜で花苗の販売などを行う八津尾初夫さんは2024年1月1日に発生した能登半島地震で被災した石川県中能登町に花苗約3,500株を贈ります。報道で能登地方の被災者が仮設住宅で心細い想いをしていることを知り、「花で勇気づけたい」という想いから寄贈を決めました。
八津尾さんは、水稲やブロッコリー、花や野菜の苗などを栽培していました。しかし、2011年の東日本大震災で妻を亡くし、家や畑、農機具なども流されました。その後、同市鹿島区の仮設住宅に入居したが、そこから見る景色は殺風景でとても寂しい想いをしたといいます。そんな中、震災から100日後、地域を元気づけようと、多くのボランティアの力を借りて7㌶の敷地に100万粒のヒマワリの種を植えました。
現在は同市から依頼を受けて「緑豊かな景観づくり事業」として、市内の道路脇のプランターや花壇などに植える花苗の栽培と定植後の管理作業を手掛けています。
今回寄贈する花はベコニア、マリーゴールド、ヒポエステスの3種類。20日に自身のトラックで花苗を運搬し、21日に中能登町行政サービス庁舎に届ける予定です。八津尾さんは「東日本大震災当時、全国のボランティアの皆さんに支えられた。花苗を贈り、直接お礼の言葉を伝えたい」と話します。