当JAそうま地区管内では、令和5年産米の等級低下が深刻となっています。12月8日現在、同地区の1等米比率は18%に留まっており、同地区の主力品種「天のつぶ」は12%となりました。等級低下の原因は2023年6月から10月頃にかけての高温障害による白未熟粒、胴割れ粒の割合が多かったことやカメムシ被害などが考えられます。次年度対策として、遅植による高温回避や品種構成の見直し、有機質一発肥料の利用による肥効継続、カメムシの発生予察情報に基づいた防除などを検討しています。
そうま地区稲作部会は、2023年度の傾向を踏まえ、今後の稲作振興の方向性提示のため、18日、南相馬市鹿島区の鹿島農村環境改善センターで稲作振興大会を開きました。作期分散や主食用米の価格維持に向けた販売戦略、農家手取りの確保に向けた取り組みを提案します。
大会には生産者や関係者、JA役職員など約150人が参加。佐藤保彦同部会長は「現時点では、六年度も高温障害が続く予報となっている。降水量も少なく苦境に立たされているが、部会員の皆さんに協力いただいて米生産を頑張っていきたい」とあいさつしました。
そうま地区本部で実施した栽培方法や稲作経営規模などを盛り込んだアンケート調査や、水稲の品質低下の原因と対策について報告。1等米の生産者は、5㌶規模の稲作経営の方が多いこと、土壌改良資材を投入している割合が多い傾向となったことなどを説明しました。JA全農米穀部東日本米穀販売事務所の藤田修一所長は、今後の取り組みについて、需要に応じた生産の徹底を図り、加工用米や飼料用米、麦、大豆への作付転換を提案しました。
JAでは、土壌分析・土壌診断の普及拡大や有機質資源の活用、スマート農業など環境保全に配慮した技術を通してみどりの食料システム戦略を実現し、生産者の所得アップを目指します。