南相馬市原町区萱浜の八津尾初夫さんは、自宅敷地内に農園図書館をオープンしました。地域の人々が気軽に立ち寄れる憩いの場となることを期待します。
結婚したら一緒に仕事をしたいと、結婚と同時に農業をスタート。水稲やブロッコリー栽培、花や野菜の育苗など篤農家として50年以上に渡り農業を続けてきました。
2011年八津尾さんは、東日本大震災で妻を亡くし、家や畑、農機具なども全て失いました。しかし、震災後も地域を元気にしようと「復興ひまわり大作戦」と題し、7㌶の土地に100万粒のひまわりの種を植えたり、仮設住宅でプランターの寄せ植えを行ったりと精力的に活動してきました。
震災から5年後、農業を再開しようと家庭菜園をスタート。5年ほどで年齢的な理由などから農業をやめ、図書館の開園を考えるようになりました。
きっかけは、知人から農業の専門書をたくさん譲ってもらったこと。自分で持っているより、いろいろな人に読んでもらった方が役に立つのではないかと思い、図書館として貸し出すことを決めました。またこの頃、周りで下を向いて歩いている人が多く、そのような人々のコミュニケーションの場も作りたいと思うようにもなりました。
そこから1年ほどかけ準備をし、2月26日「八津尾農園図書館」としてオープンさせました。農業の専門書から子ども用の絵本など約200冊が並びます。
八津尾さんは「地域の人に寄っていってほしい。お茶のみしながら、本を読んだり、おしゃべりしたり。みなさんが元気になると私も元気になる」と話します。