伊達地方あんぽ柿連絡協議会は、管内の主要品目である「伊達のあんぽ柿」を2018年1月26日に、地域特性を生かした農産品ブランドを守る「地理的表示(GI)保護制度」へ申請。2023年1月31日にGI制度の対象として登録がされました。国内での「あんぽ柿」としての登録は初めてです。
「あんぽ柿」は、江戸時代から伊達市梁川町五十沢地区で生産されていた「あまぼしがき(天干柿)」が訛ったことが由来。1922年に硫黄燻蒸技術が確立され、全国の干柿産地に広まったことから、同地区は「あんぽ柿」、そして干柿における「硫黄燻蒸技術」の発祥の地となっています。また、翌1923年に出荷組合が創立され、2022年で100年を迎えました。
「あんぽ柿」生産において、半生と完全な渋抜きの両立は非常に困難であったが、当該地区は、晩秋から初冬の冷涼で穏やかな気温変化に加え、半田山から吹いてくる「半田おろし」という冷たく乾いた弱い風と朝夕の冷え込みにより発生する「阿武隈川の川霧」による調湿作用を活かした、半生の乾燥方法を確立しました。
JAふくしま未来は、「伊達のあんぽ柿」100周年を記念して、2022年12月に記念式典の開催、記念誌の制作に加え、12月から2月の毎月13日を「伊達のあんぽ柿の日」として制定し、さらにはキャラクターを制作する等、幅広い年代への認知度向上に努めています。GI認証登録を期に他産地との差別化を図り、確固たるブランドを築き上げることで、伊達地域の活性化に寄与し、地域財産として保護していきます。さらには、国内、輸出を含めた国外も視野に入れ販路の拡大を目指します。
31日に、東京都千代田区にある農林水産省内で行われた「伊達のあんぽ柿」GI認証登録証授与式には、伊達地方あんぽ柿連絡協議会の佐藤孝一会長、JAの数又清市組合長、深谷元雄役員代表、高橋弘営農部長、渡辺弘克伊達地区営農経済担当部長らが出席。角田秀穂農林水産大臣政務官から佐藤会長へ登録証を手渡しました。
佐藤会長は「発祥の地で歴史ある「伊達のあんぽ柿」が特産品として未来永劫、多くの方々に食べて頂けるよう次世代へと繋いでいきたい」と話しました。