当JA福島地区は高品質なリンゴ生産に有効な栽培方法として「長穂接ぎ」の普及拡大を目指しています。花芽着生が早いため通常の接ぎ木よりも品種の更新が早くでき、さらに骨格枝の基部に接ぎ木をすることで、園地の空間を効率よく利用できるようになります。
長穂接ぎは、骨格枝の基部など枝がとんだ部分に接ぎ、結果枝を確保するします。接ぐ部分にコの字型に切り込みを入れ、太く長い枝を穂木に選ぶ。穂木は活着しやすいよう上面を長く、下面を短く平らに削り、くさび形にします。穂木を奥まで隙間なく差し込み、テープで固定。隙間を埋めるように保護剤を塗布し、乾燥を防ぎます。
接ぎ木に長穂を使うことで接いだ翌年から収穫が見込め、生産量を落とさずに園地の更新が可能となります。同地区では高品質果実生産に向け、長穂接ぎの栽培方法を推進しています。
13日、同地区りんご専門部会は福島市の園地で長穂接ぎの講習会を開催。渡辺幸弘部会長は「文書だけでは分からないことも多いので、園地で実際に確認して、今後の栽培に役立てよう」と話しました。参加した栽培者ら約20人は、JA園芸課の佐藤宏一営農指導員トレーナーから長穂接ぎの方法や利点を学びました。
管内では、リンゴの主力品種「ふじ」の今年の発芽は3月21日で平年より早く、開花は平年4月26日のところすでに開花している園地もあり、生育状況は大幅に前進傾向にあります。