当JAは、全国でも珍しいリンゴの新梢接ぎの指導会を行いました。新梢接ぎとは、優良系統の樹から採った新梢を穂木として使用し、新梢に接ぎ木をする方法です。新梢に新梢を接ぐので、同じ太さゆえ成りはじめから良い実が成りやすい特徴があります。また、伸びが良く、花が咲く場所が多くなり量が多く採れる利点があります。
10日に福島市内の園地で開催したリンゴの指導会には、生産者約60人が参加し、HTSの栽培管理と新梢接ぎの方法を学びました。HTS(ハイブリット・テクニカル・システム)は、早期結実、低樹高、大玉化しやすく、成熟した品質の良いリンゴ「いぼりリンゴ」が採れやすいです。
同指導会では、HTS方式の先進となる青森県の㈱原田種苗の原田寿晴代表取締役社長が、HTS栽培の栽培方法、長所、短所について説明しました。その後、リンゴの新品種「きみと(HFF63)」を育成した国立大学法人 弘前大学 藤崎農場の助教 林田大志博士が育成品種を紹介。「きみと」は着色管理の省力化を目指して育成された晩生の黄色い果皮の品種で、「ふじ」と同時期に収穫されます。高糖度で貯蔵性が良いのが「きみと」の特徴です。
当JAの営農部の佐藤宏一営農指導員トレーナーは新梢接ぎの利点や作業の注意点、ポイント等を説明しながら、新梢接ぎを実演しました。「新梢接ぎ等を利用して、優良系統の品種に更新を図ろう」と呼びかけました。