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6年ぶりに飯舘村で田植え

2017.05.16

 東京電力第1原子力発電所事故による避難指示が3月末に大部分で解除された当JA相馬地区の飯舘村で、事故後6年ぶりに田植えが再開しました。今年は8軒の農家が7.6㌶を作付け。当JAは同地域で約30トンの出荷を見込んでいます。

 事故後、同村では国直轄の除染工事により水田の表土を入れ替え、ゼオライトや配合肥料を混ぜるなどし、放射性物質対策や水田の保護にあたってきました。平成24年からは実証栽培を実施し、毎年、放射性物質検査を行ってきました。これまでに放射性物質の検出はされませんでした。28年には、直播での栽培方法を検証。同村には東日本大震災や大雪、老朽化などの影響で育苗ハウスが無いことや労力軽減を狙い導入しました。結果は、震災前と同等の収穫量が見込めたため、今年からの導入が決まりました。

 当JAでは除染が終わった地域で設立された農業復興組合に対し、作業日誌の取りまとめや地力増進・景観形成用作物の生産指導など、農地保全活動並びに農地現況確認の支援を行ってきました。今年は避難指示解除に伴い、作付け再開準備区域から全量出荷管理区域に変更されたため、出荷目的での作付けを再開。同事故前は約690㌶作付けしていましたが、今年は主食用米6.4㌶、WCS(ホールクロップサイレージ)用稲1.2㌶の計7.6㌶。今後は、農作物の生産再開に向け、行政や各機関などと連携し、技術指導を行い、「いいたてブランド」の再生を目指します。

 同村で約50年兼業農家をしてきた高橋松一(64)さんは5月11日、約6年ぶりに専用の直播機に乗り込み、県が中山間地向けに開発を進めてきた「里山のつぶ」を1.5㌶に播種しました。「久しぶりの田植えは気持ちいい。農業を再開することで事故前の村に少しでも近づけるようにしたい」と意気込みました。高橋さんは当分の間、避難先の二本松市から通って管理をします。

 

 

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