当JAは4月1日から、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)の協力を受け、環境中の微量なエネルギーを電力に変換する「エネルギーハーベスティング」という技術を用いた通信による果樹の圃場データ(温度・湿度・照度)の管理を始めました。これにより、降霜が心配される時期の夜間の温度観測が手動から自動に換わったことによる生産者の労力軽減やデータの集積におけるコストが削につながっています。これらのシステムは日本初の取り組みとして注目度が高く、集積したデータは他の作物の管理にも応用できると期待されています。
システムを導入したのは福島地区管内で、管内の55が所にデータの観測機を含む送信機やデータの受信機を設置しました。観測は15分ごとに行われ、リアルタイムのデータはJAの防霜対策本部の担当者や営農指導員が受け取れるようになっています。JA内部で観測データを検証後、担当者が1時間ごとの観測結果を当JAのホームページ上で公開し、必要な場合は生産者にアラートメールを送信します。それだけではなく、観測は継続しているので、データとして蓄積されていきます。それらを用いて水稲栽培や営農指導などにも活用できると考えています。
25日に本店で開いた報道発表会にはJAの菅野孝志組合長やNTT東日本福島支店の山内功支店長など関係者6人が出席し、メディア関係は7社集まりました。菅野組合長は「新たなシステムによって集積したデータは他の農産物生産における作業の適期を明らかにするなど広く活かせる。農産物販売高の復活に向けて取り組みを強化していきたい」と述べ、山内支店長は「農業の支援、福島の復興の支援の役に立てると嬉しい」と話しました。発表会では、紙媒体による説明後、圃場データの観測地となっている圃場に移動し、観測機の実物も見学しました。
●NTTのホームページでも今回の導入について紹介していますので是非ご覧ください。
圃場センシングによる果樹の生産管理の新たな取り組みについて