営農情報

No.4 水稲病害虫防除対策

2017.04.06

No.4 水稲病害虫防除対策

 

ふくしま未来  TAC情報 No.4

 

水稲病害虫防除対策(4月)

 

平成29年 4月 6日

JAふくしま未来 営農部

 

高品質・良食味の米づくりは、健全な苗づくりからはじまります。健苗育成には「塩水選による充実種子の確保!」「苗の種類に合った播種量と育苗日数!」「温度管理と水管理を徹底!」することが大切です。今年も健全な苗を育て、基本技術を励行しましょう。

 

1 育苗時の病害虫予防のポイント

(1)温湯種子消毒や生物農薬による種子消毒には、健全種子を使用しましょう

ア いもち病やもみ枯細菌病などの種子伝染性病害を防ぐため、購入種子の使用を基本。

イ 未消毒種子を使用する場合は、必ず種子消毒を行う。

ウ 温湯種子消毒や生物農薬による種子消毒の場合、健全種子の使用が特に大切。

 

(2)塩水選を行いましょう

収量及び品質向上、病害虫予防の基本的な対策。塩水選により、いもち病などの病害の汚染種子は大部分が除去されます。購入種子でも必ず塩水選を実施しましょう。

  塩水の作り方(水10ℓ当りの量)

種子区分

比重

食塩(99%以上)

硫安(21%)

うるち

1.13

2.1kg

2.7kg

もち

1.10

1.6kg

2.0kg

 

 

 

 

 

 

(3)もみ枯細菌病予防のため、適切な温度管理と水管理を行いましょう

もみ枯細菌病の発生が近年目立っています。種子消毒や床土消毒を行っても、高温・過湿の育苗環境では発生が助長されます。

ア 加温出芽、無加温出芽とも催芽や出芽の温度は30℃以下で行う。

イ 育苗器内の温度は、付属の温度センサーだけでなく複数の温度計で計測し、器内の温度ムラに注意する。

ウ 例年、育苗時期は気温の変動が大きいので、育苗ハウスやトンネルの被覆の開閉をこまめに行い、被覆内部が高温にならないように注意する。

エ 育苗土のpHが高いと、もみ枯細菌病が発生しやすいので、pH5.0を目安に調整する。

オ 過湿にならないよう過度のかん水は避ける。

 

(4)育苗環境に稲わらや籾殻を置かないでください。

ア 稲わらや籾殻は、いもち病等の感染源になるので、ハウス内など育苗場所の周辺に置かない。

イ 育苗箱等の育苗資材は十分に水洗いを行い、清潔なものを使用する。

 

(5)苗立枯病の防除

ア 水田土や山土を育苗箱の床土として使う場合は、必ず薬剤消毒を行う。

イ 床土のpHは5.0を目安にする。

ウ 未消毒の人工培土は、必ず薬剤消毒を実施する。

エ 緑化期以降の10℃以下の低温は、フザリウム属菌やピシウム属菌の発生を助長するので、低温時には保温に努める。

 

2 種子消毒方法(薬剤消毒、生物農薬、温湯種子消毒)

(1)購入種子(消毒済種子)使用上の注意

福島県産種子の消毒済種子は、「ヘルシードTフロアブル」により消毒されています。この消毒済種子の使用にあたっては以下の点に注意してください。

ア 浸種の際は、未消毒種子や自家採種の種子、他の薬剤で消毒された種子等とは容器を別にして浸種し、これらの種子と一緒に浸種しない。

イ 浸種時の水量は、種子の量の2倍以上とする。

ウ 浸種水温は13℃で、10日間を目標に積算温度で130℃まで浸水する。

エ 水の交換は浸種開始後3日間は行わず、その後、1~2日間隔で、後半は毎日水を換える。 (水換えは酸欠を防ぎ、発芽抑制物質を流し出す)

オ もみ枯細菌病に対する防除を追加する場合、銅の成分がチウラム成分と反応して防除効果が低下することがあるので、銅を含む製剤(テクリードCフロアブルなど)の使用は避ける。

 

(2)いもち病、ばか苗病、ごま葉枯病及びもみ枯細菌病

ア 未消毒種子を用いる場合は、混合剤で種子浸漬処理を行う。

イ 購入消毒済種子(ヘルシードTフロアブルの7.5倍液3%吹付け消毒済み)を用いる場合は、スターナ水和剤の粉衣処理を追加する。

 

(3)いもち病、ばか苗病及びもみ枯細菌病

ばか苗病、いもち病、もみ枯細菌病催芽前あるいは催芽時に種子浸漬処理を行う

 

(4)温湯種子消毒を行う場合の注意点

温湯処理による種子消毒は、一般に化学合成農薬ほど防除効果が完全ではありません。処理条件や注意事項を守る必要があります。

ア 保温機能のついた専用の温湯消毒機を使用し、温湯処理条件は60℃10分間を必ず守る。

イ 一度に処理する種子量は、各温湯消毒機の規定量を守る。

ウ 種子の病害の保菌率が高いと防除効果が劣る場合があるので、購入種子を使用する。

エ もち品種は、温湯浸漬処理により発芽率が低下しやすいので使用しない。

オ 籾水分含量が15%未満の乾燥種子を使用する。

カ 塩水選後に処理する場合は、塩水選後1時間以内に温湯浸漬処理を行う。

キ 浸漬開始直後に種子袋を5回程度上下させ、袋内の温度が均一になるようにする。

ク 浸漬処理終了後、ただちに種子を冷水で冷却し、その後は慣行に従い浸種・催芽を行う。

ケ 温湯浸漬処理を行った種子は、病原菌に再び汚染されない場所に置くなど取扱いに注意する。

 

(5)種子消毒における薬剤廃液の適切な処理

種子消毒で浸漬処理に用いた薬剤の廃液や防除器具の洗浄液は、河川や用水路等へ流出したり、井戸水を汚染したりするおそれがないよう適切に処分してください。

ア 種子粉衣など廃液が出にくい消毒方法を実施する。

イ 薬液浸漬による場合は、廃液処理装置等を使用するなど適切な廃液処理を実施する。

 

3 苗立枯病の防除

育苗期間中の天候は寒暖の変化が大きく、過度の高温や低温は苗立枯病の要因になります。育苗ハウスやトンネル等の被覆資材の開閉をこまめに行い、きめ細かな温度管理を行ってください。

 

4 育苗期の主な病害

病気に感染してからの防除ではなく、病気にならない環境つくりに努めましょう。

 

菌名

症状・特徴など

発生しやすい環境

有効な薬剤

 

フザリウム菌

籾・根のまわりに白灰~ピンク色のカビが発生。

乾燥・過湿等で発生。

 

タチガレエースM液剤(500~1000倍)

(500ml/箱)

 

ピシウム菌

カビの発生はなく、円形~坪状に枯れる。

育苗期の低温・過湿で発生。

 

リゾプス菌

緑化開始時に土の表面や籾近辺にクモの巣状の白いカビが発生。

出芽時高温・多湿、緑化時低温、厚播きで発生。

ダコニール1000

(500~1000倍)

(500ml/箱)

 

 

ダコレート水和剤

(400~600倍)

(500ml/箱)

 

 

 

トルコデルマ菌

地際や籾近辺に青緑色のカビが発生し、褐変する。

水不足で発生。

 

 

 

 

  • 注 意

  • ハウス土壌にこぼれ落ちた育苗箱施用剤の農薬成分が、そのハウスで栽培された後作野菜から検出される問題が発生しています。育苗箱への薬剤施用にあたっては以下のような対策をとるなど、薬剤が周囲の土壌に飛散しないように行ってください。

ア 培土や育苗箱への薬剤施用作業は、後作を行わない場所で行う。

イ 薬剤施用時は育苗箱の下にあらかじめ不透性のシートを敷くなど、土壌への薬剤の飛散を防ぐ。

 

農薬の使用に当たっては農薬容器のラベルを必ず読み、ラベルに記載してある適用範囲

使用時期、使用方法等に従って使用してください。

 

営農部 農業振興課 

〃  米 穀 課 

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