営農情報

No.20 水稲管理作業について

2017.07.07

No.20 水稲管理作業について

 

ふくしま未来 TAC情報 No.20

 

・・・水稲管理作業・・・

 

平成29年7月7日

JAふくしま未来 営農部

 

 

7月の作業ポイント

〇 いもち病は「予防が第一!」早期発見・早期防除に努めましょう。

〇 斑点米カメムシ類対策として、防草を徹底しましょう。

             

 

≪水管理≫

(1)基本的な水管理

① 中干しは幼穂形成始期までに終了し中干し終了直後はかけ流しとし間断かんがいに移行する。

② 中干し終了後は、出穂期まで間断かんがいを励行する。

③ 根腐れが発生しやすいほ場や、倒伏の危険のあるほ場では飽水管理(田面の足跡に水が無くなったら水を入れ、土が十分に湿ったら排水する)を行い、倒伏軽減及び根の健全化を図る。                      

④ 夜間高温(25℃以上)が続く場合は、根の呼吸量が増加し活力が低下するので、夜間にかけ流しを行い根の活力を維持する。           

(2)低温時の水管理

障害不稔が発生する温度条件は、日平均気温20℃以下又は最低気温17℃以下といわれており、その発生程度は、低温の持続期間、日較差や日射量の多少等によって異なる。

最も低温に弱い減数分裂期(幼穂長3~12cm・出穂前15~10日)に低温から幼穂を効果的に保護するには、穎花の50~80%以上が水面下となる15~20cmの水深が必要である。この水深が確保できない場合でも、無風状態であれば水面上の気温は1~2℃高くなることから、可能な限り深水に努めることで被害を軽滅することができる。

≪出穂後高温時の水管理≫

出穂後に最高気温や夜温が高い状態が続くと、稲体の消耗による登熟不良や乳白粒の発生による品質の低下が懸念される。これを軽減するため、最高気温が30℃以上、夜温が25℃以上となる場合には、「昼間深水・夜間かけ流し管理」や「かけ流し等により土壌を常に湿潤状態に保つ水管理」とする

※ 昼間深水・夜間かけ流し管理

日射による温度変化の幅は気温が最も大きく、ついで水田地温であり、用水温は比較的変動幅が小さい。このため用水の最高温度(昼間)は気温や水田地温よりも低く、最低温度(夜間)は高くなることが多い。「昼間深水・夜間かけ流し管理」はこの特性を利用し、晴天等の高温時において昼間は深水管理とし、夜間はかけ流し管理とする水管理方法である。

≪追肥の目安≫

◆穂肥◆

品種名

出穂期(平年)

穂肥適期

窒素成分量

(㎏/10a)

県北地区

そうま地区

出穂前日数

ひとめぼれ

8月3日頃

8月1日頃

出穂25~20日前

1~2kg

コシヒカリ

8月12日頃

8月9日頃

出穂18日前

1~1.5kg

①散布時期が遅れると品質低下(食味の低下等)の原因となるので、適期に実施。

②葉色、草丈を良く見て施用する。

③穂肥施用により、いもち病にかかりやすくなるので防除とセットで行う。

 

(1) 土壌中残存アンモニア態窒素量は、平年に比べ早く消失する傾向にあり、今後「中干しによる乾燥や水稲の窒素吸収量の増加」に伴い、7月上旬には消失するものと推定される。

(2) 移植時期やほ場ごとに生育が異なるので、気象状況と葉色の推移に十分注意する。なお、追肥後一時的に稲体窒素濃度が高くなると、いもち病に対する抵抗力が弱まるので注意する。

(3) 一部で肥切れによる生育の停滞がみられる。今後も葉色が淡いほ場では、速効性肥料による「つなぎ肥」を検討する。

※注意!一発元肥肥料を使用している場合は、穂肥を行わない。

 

 

 

 

幼穂の発達過程にあわせた穂肥適期

発達過程

出穂前日数

幼穂長さ

外 形

穂肥の目安

幼穂形成期

24日

1.5mm

止葉下2枚目の葉抽出

ひとめぼれ

花粉母細胞分化

18日

5~12mm

止葉抽出

コシヒカリ1回目

減数分裂期

12日

8.0㎝

コシヒカリ2回目

花粉内容充実

6日

穂ばらみ始め

 

開  花

出  穂

 

 

適切な防除により、斑点米の発生を防ぎましょう!

(1)斑点米カメムシ類

出穂14日前までの防除対策(耕種的防除)

① イネ科雑草の穂は、カメムシ類にとって餌場であり産卵場所でもあるので、穂が出る前に畦畔や周辺の除草を徹底し、カメムシ類の密度を抑制しましょう。

② 畦畔の草刈りは、水稲の出穂前後に行うとカメムシ類を水田に追い込むことになるので、出穂14日前までに行いましょう。

③ イネ科雑草のみならず、イヌホタルイ等のカヤツリグサ科雑草もアカスジカスミカメの繁殖源になるので、水田内の除草管理を徹底しましょう。

防除対策(薬剤防除)

① 薬剤防除は穂揃期とその7~10日後の2回防除が基本となります。ホタルイ類、ノビエ等が発生した水田で除草ができなかった場合は、1回目の薬剤散布を「出穂始から穂揃期」に早めることで、斑点米カメムシ類の密度を低下させ被害を軽減できます。

② 水面施用剤を使用する場合は、穂揃期~乳熟期に湛水状態で散布し、その後多発が予想される場合は、散布剤により追加防除を行いましょう。

 

薬剤散布による防除

薬剤名

散布適期及び注意事項

使用量

(10aあたり)

使用回数

使用時期

備考

スタークル粒剤

穂揃期(80%~90%出穂した日)

湛水状態で散布、7日間止水

3㎏

3回以内

(本田散布)

収穫 7日前まで

 

スタークル1キロ

H粒剤

1㎏

キラップ粒剤

出穂10日前頃から出穂期

(40%~50%出穂した日)

湛水状態で散布、7日間止水

3㎏

2回以内

収穫14日前まで

 

スタークル粉剤

DL

1回目:乳熟期(出穂期7日~10日後) 

2回目:乳熟期7日後(出穂期14日~17日後)

3kg

3回以内

(本田散布)

収穫 7日前まで

蚕毒

注意

キラップ粉剤DL

3~4㎏

2回以内

収穫14日前まで

 

MR.ジョーカー粉剤DL

3~4㎏

収穫 7日前まで

蚕毒

注意

スミチオン乳剤

1000倍

(60ℓ~150ℓ)

収穫21日前まで

 

※粉剤を使用する際は、農薬飛散(ドリフト)にご注意ください。

(2)いもち病

① 追肥後は一時的に、いもち病の抵抗力が弱まるので発生に注意しましょう。

② 箱施用剤や予防粒剤の効果が低下し始める時期となります。葉いもちの上位葉での発病は穂いもちの伝染源になるので、葉いもちの発生に特に注意し、発生が確認された場合は直ちに茎葉散布剤で防除しましょう。

③ 穂いもちの予防粒剤は散布時期が異なるので、生育状況を確認、薬剤を選定し適期に予防散布をしましょう。また、粉剤や液剤などの茎葉散布剤による場合は、出穂直前、穂揃期及びその7~10日後の3回防除が基本となります。

(3)紋枯病

出穂期前からの発病は被害が大きくなるので、初期発生に注意しましょう。茎葉散布剤の散布適期は穂ばらみ期から穂揃期となります。また、前年発生が多かったほ場は、発生が多くなるおそれがあるので、予防散布を行いましょう。

(4)稲こうじ病

前年発生が多かったほ場、穂ばらみ期に降雨が多いと多発する傾向があり防除時期は出穂20~10日前となります。

 

営農部 農業振興課

〃  米 穀 課

 

Page Top